伊坂幸太郎
この記事はユーモア欠乏症です かつ、編集者の個人的な趣味で書いています
伊坂幸太郎とは、東北大学法学部卒、仙台市在住の作家。
数多くの作品が映画化されている人気作家であり、また仙台を舞台にした作品が多いことでも知られる。
概要
2000年『オーデュボンの祈り』で新潮社よりデビュー。
ミステリー作家と紹介されることが多いが、ファンタジー要素の強い作品、群像劇、ミスリードの多様など、エンターテイメント性の高い独特の小説で人気を博している。
仙台在住ということもあり、仙台市やその周辺地域を舞台にしたり、八木山動物園やアエルなど仙台市内の各地を髣髴とさせるスポットが登場することが多い。東北大生と思わしき学生が主要人物として登場することもある。仙台在住歴のあるファンは、そのような部分を楽しむこともできる。
また、作品が次々と映像化されており、特に仙台を舞台とした作品では、実際に市内や宮城県内でロケが行われた。『アヒルと鴨のコインロッカー』や『重力ピエロ』が宮城県先行上映作品として公開される[4]など、話題も盛んである。
評価
2003年『重力ピエロ』のノミネートをはじめ4年連続で直木賞候補となるも、惜しくも受賞は逃している。
その後、2008年度に『ゴールデンスランバー』で再度ノミネートが有力視されたが、伊坂氏本人の意向として執筆に専念したいことを理由に選考を辞退し、
とのコメントを残している。(受賞で)本を手に取る人たちにはあまり関心がなく、
ぼくの本を本当に喜ぶ人には逆に届かなくなるような気がする
また、本屋大賞ノミネートの常連でもあり、こちらは『ゴールデンスランバー』にて大賞を受賞している。
主な作品リスト
仙台またはその周辺を舞台とした作品
- オーデュボンの祈り(2000年)
- デビュー作。仙台湾に存在する架空の島「萩島」を舞台とした作品。犯人を推理するミステリー作品ではあるが、喋る案山子をはじめ個性的な登場人物が多くファンタジー要素も強い。
- ラッシュライフ(2002年)
- 画商、宗教家、失業者など様々な人々の人生が複雑に絡み合う群像劇。巧妙な叙述トリックが伊坂幸太郎の特徴とされ、評価が高まるきっかけとなった作品と言われている。
- 重力ピエロ(2003年)
- ある過去を持った家族の絆を描いた作品で、初の直木賞ノミネート作品となった。映画では一部の設定が変更され、主人公は東北大学の院生になっている。
- アヒルと鴨のコインロッカー(2003年)
- 現在と過去の物語が交錯する悲話。巧妙な叙述トリックにより映像化は不可能と作者本人も思っていたが、制作された映画の評価も高く、史上初の「仙台先行上映作品」として話題になった。
- 砂漠(2005年)
- 大学生の友情が描かれる青春小説。もはやミステリーとは異なる意味を持った叙述トリックが面白い。なお、舞台は明らかにに東北大学であり、作者自身の学生時代への想いが反映されている。とんぺい生は必見。
- 終末のフール(2006年)
- 3年後に終わりを迎える世界の“混乱が過ぎ去った後の日常”を描いた短編集。それぞれの物語は仙台市北部の新興住宅地(団地)に住む人々の視点で描かれている。
- ゴールデンスランバー(2007年)
- 地図をなぞれるほど正確な表現で仙台を舞台として描きながらも、国家制度や社会体制が微妙に異なる現代での事件を辿る、「ハリウッド映画のような」作品。劇場用映画として公開され、仙台市内各地で大規模なロケが敢行された。
- あるキング(2009年)
- 一人の野球少年のお話。架空のプロ野球球団「仙醍キングス」が登場するが、東北楽天ゴールデンイーグルスとの関連性は不明。
その他の長編作品
- 陽気なギャングが地球を回す(2003年)
- 映画化された。
- グラスホッパー(2004年)
- 魔王(2005年)
- 漫画化され、オリジナルのストーリーが展開されている<<fn『グラスホッパー』のキャラクターが登場するなどクロスオーバー作品となっているプラグインは存在しません。>>。
- 陽気なギャングの日常と襲撃(2006年)
- モダンタイムス(2008年)
- SOSの猿(2009年)
- オー!ファーザー(2010年 / 河北新報夕刊他に連載・2006〜2007年)
短編集・連作
- チルドレン(2004年)
- WOWOWにてテレビドラマが作成された。
- 死神の精度(2005年)
- 映画化された。
- フィッシュストーリー(2007年)
- 表題作「フィッシュストーリー」が映画化された。
その他(短編収録など)
備考
- 学生時代は喫茶ルポーの常連だったらしい
- 作家デビュー後も、以前はよく市内のベローチェなどに出没し、執筆もしていたらしい[5]
- 一部の作品間(主に仙台が舞台の作品)で登場人物に繋がりがある
- 小説であるにもかかわらず、「音楽」がよく登場する[6]
余談
- TBA制作のカレッジステーション - まるごとキャンパスにて、撮影中の映画「重力ピエロ」のスタッフ(監督・プロデューサー・照明)へのインタビューが実現し、放送されたことがある。