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少年ガンガン

少年ガンガン』とは、スクウェア・エニックスが刊行する少年(?)漫画雑誌である。毎月12日発売。日本一元気な少年漫画誌、日本一アツイ少年漫画誌[9]などのキャッチフレーズを持つ。
誌名の由来は、ドラゴンクエストシリーズのコマンド「ガンガンいこうぜ」から。

なお創刊当時及び現在の正式名称は『月刊少年ガンガン』だが、1996年から約2年間は隔週刊だったため、「月刊」の表記が外れていた。

概要

ドラゴンクエストシリーズ公式ガイドブック、「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」などで出版事業を成功させたエニックス(現・スクウェアエニックス)が満を持して創刊した少年漫画誌である。
「南国少年パプワくん」や「魔法陣グルグル」のテレビアニメ化による人気が初期の新規読者層の獲得につながり、近年における若年層向けの漫画雑誌としては数少ない成功例であるとされる。
また、ガンガンを知らなくても、「ドラゴンクエスト列伝〜ロトの紋章〜」や「鋼の錬金術師」ならば知っているという人は多い。

TBAにおいては連載漫画それぞれのファンが少数存在するほか、14?の2名がエニックス系雑誌のコアなファンであったため、一時期そっち系のマンガが部室に増えた。
しかし、ジャンル的にやや偏っていることへの自覚があったのか、ジャンプのように部室に雑誌が置かれることはなかった。

歴史

 創刊時

創刊当初は、今では考えられないような普通の薄さの雑誌であった。
創刊に合わせて募集された漫画賞の受賞者や「ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場」出身作家を多数起用した連載作品群が受け、それらはいずれも漫画家としては新人の作品にも関わらず長期連載となるものが多かった。
雑誌としてはファンタジー漫画が多いことが特徴であったが、初期は少年向けらしくスポーツ漫画も多数あった[10]

代表作


 黎明期

その後、徐々にスポーツ漫画が減っていき、代わりにミステリアスな作品が連載されるようになると[11]、作風に合わせて中性的な主人公が登場する作品が増加する。絵柄も、線が細く女性でも受け入れやすいものが多くなっていった。逆に、下ネタが多いタイプの作品は減っていくようになり[12]、徐々に少年漫画誌としての雰囲気は失われていった。

代表作


 隔週刊化

人気を背景に、少年ガンガンは隔週刊化に踏み切る。ただしその前後には、車田正美の読みきりや江川達也・ゆでたまごの連載作品が掲載されるなど、少年ジャンプを意識したかような方向性の迷走も同時に見られていた。
しかし、混迷する連載作品群の中で人気を博したのは、今日までガンガンの誌風その影響を残すような“中性的”な作品群であった。その後も、後にアニメ化される「まもって守護月天!」など多数の“中性的”=“エニックス系”と称される作品が連載を開始する。同時に、創刊当初から絶大な人気を誇っていた「ロトの紋章」が連載を終了し、雑誌全体の雰囲気は一気に傾いた[13]

代表作


 安定期

その後月刊に戻った少年ガンガンであったが、何を考えたのか隔週刊のボリュームをそのまま月刊に移行したため、雑誌の厚さが約2倍になるという無茶苦茶な進化を遂げた。特に創刊から続く看板漫画「ハーメルンのバイオリン弾き」は、隔週刊時にページ数が減らなかったのに月刊に戻ったときも執筆ペースが減らなかったため、結果ページ数が本当に倍になった[14]
この頃のキャッチフレーズが前出の「日本一アツイ少年漫画誌」であり、連載作家がコミックスの中で本誌を鈍器扱いするなどこれまで散々ネタにされている。

その後、ギャグ漫画やゲームのコミカライズなど多数の長期連載作品を増やしながら“エニックス系”というジャンルを確立していった少年ガンガンは安定した人気を獲得。アニメ化される作品も定期的に出現することになる。

代表作


 お家騒動

少年ガンガンについて述べる上で非常に重要なのは、2001年頃に起きたいわゆる「エニックスお家騒動」である[15]少年ガンガンをはじめ、その他の姉妹誌からも、いわゆる“エニックス系”の代表格とも呼べるような人気漫画の数々が突如連載を終了するという異常事態が発生した。
連載を終了した作家たちは、かつてエニックス編集部に所属していた人達が立ち上げた新たな雑誌に参加。その行為自体は訴訟沙汰になるなどしたが、結局人気作家たちが戻ってくることはなく、少年ガンガンは一気に混乱・低迷を迎える[16]

代表作


 低迷期

お家騒動以降の少年ガンガンは、“エニックス系”の雰囲気をわずかに継承したような作品と、ベタベタの少年誌路線の復活を意図したようなラブコメ漫画、そして王道ファンタジーモノなどが次々に連載を開始したが、いずれもかつてのような爆発的な人気を誇る作品は登場しなかった。ジャンプの人気漫画家のが連載を開始したり、「鬼面組」の続編がなぜか連載されたりしたあたりからも、編集部の迷走っぷりがよくわかる。

そんな中、ひときわ異彩を放っていたのが、綿密に練られた世界観を持った「鋼の錬金術師」である。

代表作


 ハガレンフィーバー

連載開始直後から圧倒的な人気を誇っていた「鋼の錬金術師」は、テレビアニメ化と同時に社会現象にもなるほどの大フィーバー作品となり、一気に少年ガンガンの売上げを押し上げた。
しかし、従来の読者層にとっては皮肉なことに、必ずしも雑誌の売上げと、雑誌全体のクオリティが一致していたわけでもないのがこの時期と言える。

なおこのハガレンフィーバーは、TBAの新歓活動においても多少の禍根を残した

特記事項としては、この時期に、過去の少年ガンガン読者層を対象とした青年向け雑誌というコンセプトで『ヤングガンガン』が新創刊されたことが挙げられる。この雑誌の評価については後世の研究が待たれるところだが、青年誌になりきれていないあたりがいかにもエニックス系の雑誌らしいという感じでそこそこの定評を得ている。

代表作


 建て直し期

ハガレンフィーバーが一段落した少年ガンガンは、一時期ほど極端な少年漫画路線はなくなり、ほぼゼロに近かったギャグ漫画も再び連載され始めるなど、内容の拡充が図られている。同人作品やライトノベルからのコミカライズといった中性的要素の濃い作品も連載され、定期的にアニメ化作品も登場するなど、安定期やハガレンフィーバー期ほどの輝きはないながらも、健闘しているようである。

代表作


 現在

姉妹誌の統合、新創刊によるタイトルの移動などを経て、一層紙面の充実が図られつつある。増刊「ガンガンパワード」の休刊に伴う継続作品の連載もいくつか始まっている。
一時期に比べると、かなりギャグ漫画の構成比率が増えてきているのが特徴かもしれない。
また、アニメ「鋼の錬金術師」の第二期がスタートしたことによる読者層のさらなる広がりも期待されている。

代表作


ゲームとの関係

姉妹誌を含め、ガンガンではゲーム作品コミカライズが積極的に行われている。
ガンガン本誌では、自社作品である「ドラゴンクエスト」や「スターオーシャン」などはもちろんのこと、スクウェアとの合併前後からは「ファイナルファンタジー」や「キングダムハーツ」、あるいはまた、他社作品である「アークザラッド」や「ひぐらしのなく頃に」、「モンスターファーム」などの漫画化がされている。
さらには、アニメ化された漫画のゲーム化も積極的に行われている。

しかし一方で、ネット上ではスクウェア・エニックス内の出版事業とゲーム事業の不仲の噂が広まっている。
これは、スクウェア・エニックスの看板作品である「ドラゴンクエスト」の最新シリーズの情報が、ガンガン誌上で(カラーのゲーム特集コーナーがあるにも関わらず)あまり充実していないこと、それに対して、週刊少年ジャンプには積極的な発売前情報の提供が行われていること、などを根拠とするものである。

関連項目