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バランス

(平衡 より転送)

バランス平衡)」とは、アナログ音声データの通信の際の信号の形式のこと。
対となる形式として「アンバランス不平衡)」がある。

概要

モノラル音声を、位相を反転した2つの信号と基準となるGND(グラウンド、0V)の3本の線で送信する方式。
正相信号と逆相信号を同時に伝送することで、伝送路上の外来ノイズの影響を(理論上は)ゼロにできる。
そのため、もっぱらプロ用途やケーブルが長くなる現場などではバランス接続のケーブルが使用される。

原理

2本の信号線のうち片方に入力信号をそのまま(正相信号)伝え、もう片方に入力信号の位相を反転したもの(逆相信号)を伝える。
伝送線路上に混入する外来ノイズ[1]は、正相信号と逆相信号に同相で加わる。
受信端で逆相信号の位相を反転させれば、混入したノイズは(正相信号に混入したノイズに対して)逆相となるため、2つの信号を加算するとノイズだけが打ち消し合い、入力信号の振幅を2倍したものだけが残る。これを50%減衰させれば、混入したノイズに関わらず元の入力信号と同じ波形が出力端でも得られる。
実際には、ノイズ源に対する2本の信号線の位置がそれぞれ微妙に異なるため、正相信号と逆相信号に混入するノイズは完全に同じにはならない。したがって、上のような処理をしてもノイズを完全に消し去ることはできない。

利用のされ方

伝送に三端子を使うため、バランス伝送方式の利用は主にXLRケーブルで行われる。ノイズに対する信号強度の弱いマイク類がXLRケーブルで接続されることが多いのはこの為である。
XLR端子よりも安価であることからTRSフォン端子が用いられることもあるが、ケーブルの意図しない抜けやアンバランス伝送を行うTSフォンとの誤認に十分注意する必要がある。

関連項目