鉄板
鉄板とは、大きな鉄の板。
それ以上でもそれ以下でもないが、代わりのない特別な存在である。
鉄板係
むかしむかし、東北大学学友会放送研究部には、秋の伝統行事・東北大学祭において、お好み焼きを作る風習があったそうな。
ところが、お好み焼きを焼くには、生地を平らに焼き上げるための大きな大きな鉄板が必要じゃった。
祭りの時期以外は奥底に封印されている大きくて重い鉄板は、大柄な大人の男の手にも余るような、とてもとても扱いの難しいものだった。そのため、鉄板は部員達から嫌われておった。
そんなある年の、祭りの時期のこと。
ぞんざいな扱いを受けていた鉄板の封印を解くと、その鉄板は突如怪しいオーラを解き放ち、その呪いが部員達に襲い掛かったのじゃ!!
次々に倒れる男達。
呪いの浄化のために討伐隊が組まれ、なんとか事なきを得たが、大きな傷跡を残すこととなってしまった。
その後、毎年秋になると、当時の討伐隊を母体とした「鉄板係」が結成されるようになり、その鉄板係の指示の下、部の男達は毎年鉄板の呪いが起きないよう、祭りの期間中も必死に浄化作業を行うならわしとなったそうな。
大きくて重い鉄板を扱うことに不平を言う部員も少なくなかったが、こうして部と「お好み焼き」の平和は守られていったのじゃ。
――その後、お好み焼きを作るという伝統文化は徐々に廃れてしまい、人々の記憶から鉄板係の存在もまた、忘れられていくこととなった。
鉄板もまた、奥底に封印されたまま、眠りについておる。
しかしまたいつの世か、部員は鉄板の封印を解き放つであろう。
その時、かつて鉄板係という勇者達が存在していたことを、私と私の子孫達は語り継がねばならないのである。
注意
鉄板係とは、鉄板の取り扱いに関する指揮・スケジュール管理をする者達への尊称であり、決して彼らだけの力によって鉄板の洗浄浄化を行っているわけではない。みんな協力しよう。